事業計画書の書きかた

補助金とは何か?

はじめに

筆者は経営相談員を務めていますが、「事業を拡大したいのだけどお金が足りない。どうしたらよいか?」「補助金を手に入れたいのだけど、どうすればよい?」という相談をよくいただきます。
ということで、補助金に関するポイントをまとめました。

補助金のポイント

補助金の大きなポイントは以下の3つ、と筆者は思っています。

①事業計画の内容に対してお金が補助される ②事業計画に対する審査に通る必要あり ③補助金が得られるのは、事業計画の取り組みが終わってから

①事業計画の内容に対してお金が補助される

補助金は事業計画書の内容に基づいて支給額が決まります。すなわち「事業計画書」を作ることが絶対に必要です。 事業計画書以外にも申請書など作る必要がありますが、基本的に単純な事務作業になるので本記事では割愛します。

また、作る事業計画書も補助金ごとにルールやテーマが決まっています。例えば「小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)」の場合、そのテーマは

小規模事業者等が自ら作成した持続的な経営に向けた経営計画に基づく、販路開拓等の取組(例:新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発等)や、販路開拓等と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組…(以下略)

小規模事業者持続化補助金<一般型>第 12 回公募要領 より。強調は筆者による

でなければなりません。要するに持続化補助金の場合、販路開拓や業務効率化と関係のない取り組みに補助金は出ない、ということです。

「もうちょっと使途自由なお金を確保したい」という相談もよくありますが、このような場合は「補助金」ではなく「融資」の出番です。 もちろん、融資を受けるにも事業計画書が必要になります。

②事業計画に対する審査に通る必要あり

補助金には基本的に審査があります。審査に通らなければ、当然補助金は支給されません。

事業計画が採択される(審査に通る)割合は、補助金の種類や時期にもよりますが、大体3~5割ほどです。
これは「運が良ければ審査に通る」という意味ではなく、「しっかりとした計画書を作れば高い確率で通る」ということです。

実際、筆者は経営相談で何十件と補助金の事業計画書を見てきましたが、こちらのアドバイスに従って計画書を練り上げた方は100%採択されています。一回落ちることはあっても、次回再チャレンジして採択されています。

③補助金が得られるのは、事業計画の取り組みが終わってから

これは書いたまんまです。補助金は定められた期限のうちに事業計画の通り進めて、完了報告を提出し、これが認められてから支給されます。 (「概算払い」といった例外はあるのですが、ここでは割愛します)

完了報告では補助事業に関わる見積書や請求書、領収書、実際にお金を支払った記録(銀行の入出金明細のコピー等)などのほか、事業の状況説明などが求められます。

これが結構面倒くさいのです…。チェックが厳しいのは不正受給防止のために仕方がないことです。覚悟してください。

また、補助金が支給されるのは、補助金の種類にもよりますが採択されてから大体半年後~1年半後になります。 補助額が数十万円程度であれば自己資金で賄えるでしょうが、数百万~数千万円ともなると会社の経営にも大きく影響するはずです。実際、補助額が大きい補助金では資金調達計画も評価基準に含まれています。

事業再構築補助金(第10回)公募要領 より

事業資金の確保でまず考えるべきは融資を受けることです。大きい補助金を申請する場合は、事前にメインバンクとも相談することをおすすめします。

さいごに

補助金を得ることは非常に大変です。ここまでの説明を聞いて挫折される方もこれまで多く見てきました。しかし、補助金に必要な事業計画の検討・作成を通じて

  • これまで頭の中に抽象的にしか無かった事業の目標や、自分がやるべきことを整理できた
  • 周りを納得させられる事業計画の作り方が分かった。今後の事業拡大にも使えそう

といったポジティブな意見を最終的には持たれる方が大半です。

この記事を読まれているあなたも、ご自身のビジネスを大きくしたくてこの記事を読まれているかと思います。
しっかり事業計画を作成し、補助金も活用してビジネス拡大を実現してみませんか。

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